愛馬のハグの理由 – 獣医が突き止めた！超音波検査で分かった驚きの真実

おもしろい

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馬の第六感というものをあなたは信じられるでしょうか。ハンナ・ミッチェルというイギリス人の女性は、自分が妊娠したときにまさに馬の第六感によって命の危機を救われました。ハンナは自分の妊娠が発覚したときに夫と大いに喜びましたが、ペットの馬だけは迫りくる危険を何度となく静かに訴え続けていたのです。そこには夫婦の幸せを阻む、恐ろしい出来事が待ちかまえていました。

待ちに待った妊娠

ハンナ・ミッチェルとロバート・ハリスは仲睦まじい夫婦。しかし、彼らの夫婦生活にとって唯一の不満がありました。なかなか子供ができないことです。彼らはどうしても子供が欲しかったので何カ月もかけて妊活を続け、そしてある日ようやく妊娠が判明しました。子供が産めない身体なのではないかと落胆していた彼らにとって、それは本当に嬉しいものでした。

マーサの奇行

彼らが喜びに浸る中、ハンナのお腹はどんどん大きくなっていきました。すべてが順調に進んでいるように思えていたところ、彼らのペットであるマーサが不可解な行動をとるようになりました。マーサは急にハンナに抱きついたり、ハンナのお腹を舐めるようになったのです。夫婦ははじめのうちはマーサの奇行に疑問を抱いていましたが、忙しい毎日の中で深く考えることはしませんでした。しかしこれはハンナからの確かなサインだったのです。彼たちはそれを見逃したことをのちのち後悔することになります。

急な痛み

マーサの奇行が続くなか、妊娠は順調に進んでいて何もなかったかのように思われました。妊娠25週目にはいったとき、ハンナは急に下腹部に激痛を覚えました。あまりにも突然の痛みにハンナは動けなくなり、ロバートは急いでクリニックに駆け込みました。医師はハンナにエコー検査を施し、結果をみて衝撃をうけた医師はすぐに警察を呼びました。こうなることを見据えてマーサはずっと警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、彼らは何も気づけませんでした。

ハンナとロバート

ハンナとロバートの関係について説明しておきましょう。ロバートはある日街にやってきてから、彼ら2人は出会いました。彼らが16歳のときから一緒に暮らし始め、同棲してからすぐにマーサという馬を飼い始めました。二人の関係はとてもうまくいっており、マーサを含めたこの家族は幸せいっぱいに過ごしているように見えました。しかしハンナにはちょっとした悩みがあったのです。それはロバートのことでした。

ハンナの悩み

ハンナがロバートに対して悩んでいたこと、それは、とても秘密主義だということです。主に過去についてのことで、ロバートの生まれ故郷、両親、祖父母のことなど、ハンナは何度となくロバートに聞いたことがありました。しかし何度聞いても、喋りたくない、あまり覚えていないといった返答があるだけでした。ハンナはこれに関しては今まで一度だって満足した答えを聞いたことがありません。ロバートと出会って今日まで、ハンナはずっとそのことに悩まされていました。

ロバートの隠し事

ハンナはロバートと付き合ってから5年目で、再度意を決してロバートに聞いたことがありました。両親に会わせて。電話がしたい。おじいちゃんとおばあちゃんはどんな人なの？どこで生まれて、今までどこにいたの？あまりにしつこく聞いたため、普段は温和なロバートが急に激怒し悲しそうな顔をしました。そしてそれを見て、ハンナは悲しい気持ちになってしまいました。それ以降、ハンナはロバートに過去のことは聞かないようにしました。しかし、ずっとそのことが心残りでした。

ハンナの疑念

ハンナはもう長い付き合いにもなるロバートのことを詮索することを諦めていました。どんなに聞いても満足する答えはまるで返ってこない。そのうえ激怒までされる。普段はやさしくて温和なロバートがあのとき一度だけ見せた鬼のような形相を、ハンナは忘れることができませんでした。あれはロバートではないとさえ思いました。彼はいったい何を隠しているのだろう、何が彼をそこまでさせるのだろうと不思議に思いました。

ロバートへの愛

ロバートにこういった話を持ち出したとしても、彼は一生話してくれることはないだろうと彼女は分かっていました。ハンナがどんなに気になって知りたくてもロバートはまったく話してくれないので、鉄の板が1枚そこにあるような、そんな彼との疎外感を感じていたのです。しかし、それ以外にロバートに対して思うことは何もなく、結果的に二人は一緒にいることになりました。

結婚

二人が交際をはじめてから10年ほどが経ったころ、彼らはついに結婚することになりました。長年貯蓄していたお金がやっと貯まり、結婚式を挙げることになったのです。ハンナは喜びに満ちていました。結婚式の準備を進めるうちに、本当に家族になるんだというワクワクと喜び、そしてロバートとの間にあった距離がだんだんと近づくような、そんな感覚があったのです。しかしそれはぬか喜びだったのです。

ロバート家の空席

結婚式当日、ハンナの家族や古くからの友人が式場に集まるなか、ハンナはロバートの家族の到着を待っていました。やっと会える、ロバートが隠すほどの家族たち、いったいどんな人たちなんだろう。しかしハンナの期待は大きく打ち砕かれました。ロバートの家族席には誰一人として座らなかったのです。そのうえロバートが招いた友人は、ロバートが16歳でこの街に引っ越してきてからの友人のみで、彼のルーツについて知る人は誰一人として現れなかったのです。

それでも幸せに

結婚式での拍子抜け、そして落胆。そんなことが起きながらも彼らは幸せな結婚式をとりおこなうことができました。お金をかけた盛大な結婚式と数々の祝福の言葉、彼らはまさに幸せの中にいました。そして彼らはさらなるステップに踏み出すことを決意しました。そう、家族を増やすことです。しかしそれは一筋縄ではいきませんでした。子供を授かるのに膨大な時間を要したのです。

長く続く妊活

ハンナとロバートは子供を授かることがこんなに難しいことだと思っていませんでした。また、自分たちには子供をつくるための根本的な能力がないのではないかとさえ思うようになりました。不妊治療するにあたる夫婦に選ばれたのであろうかと承知さえしていました。この疑念を晴らすために、彼らは医師の元を訪れたのです。自分たちの夢の1つが叶うのか否か、彼らはどうしても知りたくてやはりクリニックを訪れました。

子を求めて検査

医師はハンナとロバートに身体的・健康的な問題がないかを確認するためにメディカルチェックを行いました。精密に検査するためいくつかのチェックを行い、検査後何日か待った後に結果がきました。結果について医師からは、電話で報告すると言われただけでしたが、数日後、再びクリニックへ戻ることになりました。何か悪いことが見つかったのではないかと彼らは緊張していました。

その結果は

クリニックについた二人はとても緊張していました。ハンナに問題があるのか、ロバートに問題があるのか、もしくは両方なのか。もし子供ができないなら…不安な気持ちでいっぱいでした。しかし幸いなことに、医師から告げられた言葉は全く逆のものでした。ハンナとロバートは全く問題がなく、良好な健康状態であることが分かったのです。二人はほっとし、クリニックをあとにしました。

天からの贈り物

クリニックでの検査から1週間たってから、ハンナはなんと妊娠していたことがわかりました。医師からの言葉を信じていた二人ではありましたが、果たして本当に妊娠することが出来るのか、非常に懐疑的でした。そんな不安とは裏腹に結果的には妊活は成功し、二人は天からの贈り物を受け取りました。妊娠の報告をハンナは家族や友人に伝え、みんなが大喜びしていました。たった一匹を除いては。

マーサの変化

妊娠を望んでいないように見える、そのたった一匹とはマーサのことです。ハンナの妊娠が判明してから、マーサは明らかに不可思議な行動をとるようになりました。はじめの頃はハンナのお腹を舐めることから始まり、急なハグ、そしてつつくことまでしたのです。マーサはふだん非常に大人しく、自分から二人に積極性を見せない馬です。マーサのこの変化に、ハンナは少しずつ恐怖を抱き始めていました。何かがおかしいと感じ始めました。

マーサからのハグ

とある時期から、マーサはハンナのお腹を見つめるたびに、積極的に抱き着くようになりました。マーサは今までそんなことを一度もしたことがなかったので、寂しさからくるものかあるいは甘えているだけだろうと気に留めなかったハンナでしたが、その異常な頻度と急な行動に、ハンナは疑問を感じ始めていました。自分の妊娠で、知らず知らずのうちにマーサになにかしらの影響を与えていたのだろうか、それともマーサ自身が抱える問題なのだろうか、と。

マーサの検査

マーサの急に始まった奇怪な行動にハンナはさすがに心配になり、動物病院で診てもらうことにしました。表面からでは分からないような、体の異常が見つかるかもしれないと考えたのです。もしかしたらガンなのかもしれない、マーサに重い病気が見つかったらどうしようと、ハンナは気が気ではありませんでした。獣医は数々のメディカルチェックを行ってくれました。また、マーサにとってメンタル的な問題がないかどうかも。しかしどんなにチェックをしても、何の異常も見つからなかったのです。

インターネットで調べると

獣医がどんなに問題がないと言ってもハンナはどうしても信じられませんでした。なぜなら、マーサの行動は明らかにおかしかったからです。今までのマーサとは明らかに何かが違う、何か伝えようとしているのではないだろうか、と考え始めていました。そしてマーサの行動に該当するインターネット上の記事に片っ端から目を通し、そしてショックを受けました。出てきた検索結果によって、悲しみとともに彼女はただ泣くことしかできませんでした。

相談相手

インターネットに並ぶ情報はハンナを不安にさせました。多くの情報で、ハンナの赤ちゃんに何か問題があることが推測されました。要するに、ハンナの赤ちゃんに対する「何か」を、マーサは感じとっているのではないだろうか、といった概要のものでした。ハンナはそれを読んでパニックになってしまいましたが、そのことについて誰かに相談するべきだと考えました。ロバートに相談しようかと思いましたが、心から信頼できる別の人に話すことにしました。

アドバイスを求めて

ハンナは母に相談に行きました。どうしたらいいのか見当がつかず、母に相談すれば何か変わると思ったのです。実は、母も以前に馬を飼っていたことがあり、馬の病気や馬とのコミュニケーションについて何か知っているだろうと考えたためです。ハンナにとって母からの冷静な意見が必要でした。そして彼女の母はハンナを安心させることを言ってくれました。それを聞いてハンナはいくらかは落ち着くことができました。少なくともロバートに話すよりはましだったと言えるでしょう。

母の説得

母は黙ってハンナの話をきいて、「インターネットに書いてあることを鵜呑みにしてはいけない。インターネットは専門家というわけではないため、必ずしも正しい情報が載っているわけではないのだ」と意見しました。また、「マーサに一体何が起きているのかはマーサにしかわからないこと。少なくとも今ここで悩んでいたって仕方がない。自分の直観を信じて、夫であるロバートと決めなさい」とも言いました。ハンナは母の意見を素直に聞くことにしました。

2度目の検査

ロバートとの相談の末、赤ちゃんに本当に異常がないのか、専門家の意見を求めて二人は再度クリニックに行くことにしました。そこでメディカルチェックを受け、医師からの判断を仰ごうと思ったのです。ハンナはすでに妊娠18週目を迎えていたので不安でいっぱいでした。ここまできて赤ちゃんに何か異常があるかなど、考えたくもありませんでした。長い検査を終えて、緊張の面持ちで検査結果を待ちました。

安堵の知らせ

検査から数時間後、医師はいい知らせをもってハンナのところにやってきました。心配することは何もない、妊娠25週目になったらまたエコー検査を受けるようにと言われました。結果を通して、おかしいのは自分の赤ちゃんではなく馬であるマーサであると彼らは結論付けました。これで不安は解消されたと彼らは思っていました。

腹部の痛み

23週を過ぎたある日、ハンナは突然腹部に激痛を覚えました。彼女は気分が悪くなり、応答もままならないほどでした。赤ちゃんが生まれるときがきたのかもしれないとハンナは思いました。ハンナとロバートは急いで病院に向かうことにしました。とうとうこの時が来たのかと、緊張を感じていました。

渋滞にもまれて

病院へと急いでいる二人の行く手を阻むものがありました。そうです、渋滞です。二人を乗せた車は、こんな時に限って急な渋滞に巻き込まれることになりました。苦しがるハンナを横目に、ロバートは可能な限り渋滞を避けようと努力しました。しかし渋滞をさけることはできず、二人は途方に暮れてしまうことになります。痛がる妻を乗せた車は、完全に方向を見失いました。

救急車を呼ぶ

なんとかしてこの状況を奪還するために、ロバートは救急車を呼ぶことにしました。渋滞に巻き込まれたままだと妻はいつ病院に運ばれるのか分からない、このままここにいるわけにはいきませんでした。ハンナは息も絶え絶えになって、本当につらそうに見えます。数分してやっと彼らの元に救急車が到着しました。救急車は優先的に道路を抜けることができるので、次々と車を追い抜いていきます。そしてハンナはついに病院に搬送されました。

超音波検査

病院についてすぐさま医師による超音波検査が始まりました。赤ちゃんに異常がないかを確かめるためです。もうそろそろ生まれる、嬉しい痛みなのではないかと思っていました。しかしそれは違いました。「すぐに警察を呼んでください」医師が険しい表情で看護師に告げました。

パニックに

医師に突然の言葉にハンナは明らかにショックを受けていました。なぜ警察を呼ぶ必要があるのか、自分達に何か関係があるのか、いったい何が起きたというのか、教えてほしい。今はそんなことをしている状況ではないのに…。ハンナもロバートもパニックを通り越して怒りさえ覚え始めていました。一体いつになったらこの痛みから解放されるのか、いつ終わるのか、いっさい説明もないこの状況に腹を立てていました。

警察の事情徴収

数分後、二人の元に警察が到着しました。到着してさっそくロバートに一緒に来るように言い「奥様のことでお伺いしたいことがあります」と言いました。全く身に覚えのないことに、ロバートは気が動転していました。いったい妻に何があるというのか、なぜ警察がくる必要があるのか、さっぱりわかりませんでした。しかしあくまでも警察は真剣にロバートのことを見ています。

質問攻めに

ロバートは警察の事情徴収をうけることにしました。最初はいたって普通の質問でした。二人は出会ってどれくらいなのか、どこに住んでいるのか、ハンナはどんな人なのか。ロバートは答えられる限りのことを返しました。しかし次第にその警察官の口調は変わっていきました。だんだん奇妙な質問をするようになったのです。ロバートはしかめていた眉をさらに深くさせ、その質問内容を聞いていました。

不思議な質問

彼らが誰で、いつからどこに住んでいるか、そういった普通の質問からはじまったかと思えばだんだん不思議な質問に変わっていきました。ここ数週間どこにいたのか、赤ちゃんを検査するためにどこへ行ったのか、その他にどこへ外出に行ったのか…そのうえ妊娠についても詳細に聞かれました。なぜハンナの妊娠についてそこまで知る必要があるのか？ロバートには理解が出来ませんでした。これ以上はプライベートなことを聞かれる所以はないだろうと感じていました。

警察への反抗

ロバートはその質問に驚き、絞り出して何とかこたえようと努力しました。そして、いよいよ警察に腹を立て始めていました。なぜこんなことを聞いてくるのか、それを知って何になるのだ、真面目目に仕事をしてくれと。それを警察に伝えると、彼らも幾分か不愉快な思いをしたようでした。ロバートは警察への反抗を後悔しました。

警察署に連行

ロバートは不思議な質問にも何とか誠実に答えようとしていました。しかし先ほどの態度が幾分か警察を怒らせてしまったらしく、警察署に連行されることになりました。まだまだ安心することが出来ない妻を置いて、ひとりで警察署に行くわけにはいかないと反抗しました。しかし、それが更なる不運を生み出しました。

再びパニックに

ロバートに選択肢はなく、警察に同行することになりました。署で事情を説明することになったのです。しかし警察に同行する夫ロバートの姿を見て、ハンナはさらにパニックに陥りました。夫が何かやったというのか、いったい私たちに何が起きたというのか、何か問題なのだろうか。妊婦にとって精神の乱れは健康に非常に悪いものです。心配する彼女の元に医師がやってきました。

手術

「手術が必要です」と医師は簡潔に彼女にいました。それが赤ちゃんを救うために必要なのだと。医師は警察から口止めされているので、詳細なことは言えないようです。そのことがハンナをストレスにさせました。しかし医師はハンナに選択肢を与えました。赤ちゃんを救うために手術が必要ですが、もちろん母体が無害とは言い切れません。どうするかはハンナに選択肢があると医師は言いました。

決断

時間はありませんでした。痛みとともに何とか病院についたと思ったら、ロバートの警察への同行、続いてハンナの手術。急な展開にハンナはついていけませんでした。しかし赤ちゃんのために必要というならば、彼女は長く考えることはありませんでした。自分たちが望んでいたものをやっと手に入れられそうなときに、それを逃すわけにはいきません。「はい」と即答し、手術を受けることになったのです。

ロバートへの尋問

待つこと1時間、ハンナは手術台へ連れていかれました。一方でロバートは警察署へ連れていかれ、警察からさらに質問を受けました。やはり簡単な質問から始まり、徐々に不思議な質問へと変わっていきます。精一杯答えるも、警察の反応は微妙です。自分が一体何をしたというのか、全く身に覚えのないことにロバートの心臓は大きく脈を打っていました。そしてロバートは取調室に連れていかれることになりました。

イライラが募る

ロバートは完全に振り回されていました。言われるがまま警察署に連れていかれたかと思うと、今度は取調室です。一体何があったというのか、どうなっているんだ、自分はどうするべきなのか。ロバートがそう思っていたころにやっと進展がありました。警察が重い口を開いて説明を始めたのです。それは全く予想外のことで、ロバートの頭はその説明の一言も理解ができませんでした。

犯罪者たち

突然、取調室の向こう側に5人の犯罪者が並びました。この中に見覚えのある人間はいるのかどうか聞かれました。ロバートに犯罪者の友達はいません。しかし、その5人の中に明らかに一人だけ見覚えのある人物がいました。なぜこの人がここに？監房の中に？ロバートは驚きました。

担当医は犯罪者

見知った顔が監房にいました。その人はなんと…ハンナのクリニックの担当医でした。なぜ彼がこんなところに？ロバートは監房の中に立っている担当医の顔をぼうっと見つめました。ロバートが警察に自分たちの主治医だと告げると、そこでやっと衝撃の事実が伝えられました。そしてロバートの隠された過去も明かされることになったのです。しかし警察から全てのことが告げられても、ロバートには全く身に覚えのないものでした。

医療用チップ

警察は、ハンナの体内に医療用チップが埋め込まれていたことを説明しました。しかもそれが違法であることを。このチップは母体のホルモンを調節することが出来るようになっていました。そしてこの悪徳主治医はロバート名義でこのチップをハンナの胎内にいれたのです。なぜそんな必要があったのでしょうか。

ロバートの過去

この担当医はロバートのことを昔から知っていました。実はロバートは人格障害をもっており、この担当医はロバートの昔からの担当医でもあったのでした。ロバートは精神的に危うい面があり、なんと別人格を持っており時たま非常に攻撃的な人になるのでした。ロバートはそのことに関する記憶をすっかり忘れており、この人格のせいで家族から縁を切られたこと、そういった経緯で引っ越しすることになったことを無意識に記憶の中から消していました。

ハンナとの出会い

ハンナと出会ってからのロバートはその人格障害がでてこなくなったため、それを知るために担当医としてこの街にこっそり来ていました。この医師はロバートを実験対象として追っていたのです。そして、再びロバートの人格障害を引き起こすために妻であるハンナの胎内に医療用チップを仕込みホルモンを調節、そして夫婦の喧嘩や争いに導くことで、ロバートの別人格の気を煽ろうとしたのです。

ハンナの元へ

すべてを聞いてもこの街に来るまでの記憶や担当医のことに身に覚えがないため、ロバートは別世界のことのように聞いていました。ロバートはとにかくその医療用チップを取り除かなければならないこと、そうでなければ赤ちゃんに影響が出るかもしれないということを危惧し、急いで妻が手術をしている病院へ向かいます。自分が過去のことに真剣に向きあわなかったせいで引き起こしたことなのだと、後悔を感じていました。

いい知らせ

ロバートは医師の後を追って、ハンナのいる手術室までやってきたロバート。妻と赤ちゃんはどうなったのだろうと、医師に尋ねました。すると、何とか手術は成功したとのいい知らせをくれました。大事な人たちは安全な状態なのだと、ロバートはひとまずほっと心をなでおろしました。部屋の中では手術を終えたハンナが安らかな顔で眠っているのが見えました。それを見た瞬間、今までの疲れがどっと押し寄せました。

帰宅

ハンナも赤ちゃんも無事でした。赤ちゃんの出産についてはまだ時間がありますが、急な腹痛の原因である医療用チップは取り除かれました。この一つのチップが、ロバートの過去、そして担当医の秘密を暴きました。ハンナとロバートは馬のマーサが待つ家に帰れることになり、ロバートは、警察から告げられた悪徳主治医と自分の過去、自分は隠していたわけではないことをハンナに説明しました。

無事に出産へ

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ハンナはロバートが自分の口から説明した過去を聞き、驚きながらも受け入れることにしました。彼の口から聞けたこと、それが何よりも嬉しかったのです。また、ハンナは妊娠40週目にしてついに女の子を出産しました。ジュリアと名付けました。今回のこの事件は、ジュリア誕生にまつわる良いエピソードとして語り継がれることになるでしょう。そしてハンナとロバートは、常に馬の本能に耳を傾ける重要性を学んだのでした。