ししゃもの栄養と効能|頭からまるごと食べるのがおすすめ!

食・料理

スポンサーリンク

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

ししゃもは昔から日本の食卓になじみのある魚で、栄養も豊富に含まれている。小ぶりなサイズで食べやすいのも特徴のひとつだ。今回は、ししゃもの栄養と効能について説明する。この記事を読んだら、積極的にししゃもを食べたくなるような魅力を発見できるだろう。


目次
  • 1. 頭からまるごと食べよう!ししゃもの主な栄養と効果効能
  • 2. ししゃもの栄養成分表
  • 3. ししゃも一匹の栄養とカロリー
  • 4. ししゃも料理の栄養
  • 5. ししゃもとめざしの栄養の違い
  • 6. 栄養豊富なししゃもは妊婦にもおすすめ

1. 頭からまるごと食べよう!ししゃもの主な栄養と効果効能

頭からしっぽまで食べられるししゃもは、たんぱく質や脂質、ビタミンなどの栄養価が高い優秀な魚だ。ここではししゃもに含まれている主な栄養と効能を紹介する。

DHAとEPA

ししゃもには、DHAとEPAという脂肪酸が豊富に含まれている。(※1)

DHAは、脳を構成する脳細胞の膜に多く存在している。DHAを摂取することにより脳が活性化し、脳の栄養素といわれるほど脳にとって重要なものだ。また、血流を改善する効果もあり、生活習慣病の予防に期待されている。(※3)

EPAは、青魚から摂取できる必須脂肪酸である。体内で合成できないため、食品から摂取しなければならない。EPAは体内の血流をよくする効果がある。また、DHAとの相乗効果で脳の血管を健康に保つ効果もあるため、DHAと一緒に摂取するとよい。ほかにもアレルギー症状を緩和する効果もある。(※4)

亜鉛

亜鉛は全身の細胞内に存在しており、免疫力の向上や身体の成長を促す効果が期待できる。亜鉛は不足してしまうと味覚障害や抜け毛、免疫機能の低下など、さまざまな欠乏症を引き起こす恐れがあるので、積極的に摂取したい栄養素のひとつだ。(※5)

ビタミン類

ししゃもには、ビタミンBの中でもビタミンB2が豊富に含まれている。(※3)ビタミンB2は健康的な髪や爪、皮膚を作り出す効果がある。また、生活習慣病の予防や改善にも効果的だ。(※6)ほかにもビタミンDも多く含まれ、歯や骨を丈夫にしたり免疫力を高めたりする効果がある。(※7)

カルシウム

ししゃもは骨ごと食べられるため、カルシウムを効率よく摂取できる。カルシウムは、身体の骨や歯を作るうえでとても重要な栄養素だ。(※8)

たんぱく質

たんぱく質は、人間が生きていくために重要な栄養素だ。筋肉や臓器を作るのはもちろん、免疫力の向上にも効果がある。(※9)

卵にはコラーゲンがたくさん

お腹の中に卵があるメスのししゃものことを子持ちししゃもという。卵にはコラーゲンが豊富に含まれている。コラーゲンはたんぱく質のひとつで、美肌効果や、骨を丈夫にする効果などが期待できる。コラーゲンを摂りたい人はオスのししゃもよりも、メスの子持ちししゃもを食べるとよいだろう。(※10)

2. ししゃもの栄養成分表

生のししゃも100gあたりに含まれる栄養素は以下のようになっている。(※2)

  • エネルギー:152kcal
  • 水分:67.6g
  • たんぱく質:21.0g
  • 脂質:8.1g
  • 炭水化物:0.2g
  • ナトリウム:490mg
  • カリウム:380mg
  • カルシウム:330mg
  • マグネシウム:48mg
  • リン:430mg
  • 鉄:1.6mg
  • 亜鉛:1.8mg
  • 銅:0.10mg
  • マンガン:0.11mg
  • ヨウ素:74μg
  • β-カロテン:6μg
  • ビタミンE(トコフェロールα):0.8mg
  • ビタミンK:1μg
  • ビタミンB1:0.02mg
  • ビタミンB2:0.25mg
  • ナイアシン:1.7mg
  • ビタミンB6:0.07mg
  • 葉酸:37μg
  • パントテン酸:1.95mg
  • ビオチン:18.0μg
  • ビタミンC:1mg
  • DHA:550.0mg
  • EPA:670.0mg
  • 食塩相当量:1.2g

このように、ししゃもには栄養素がたくさん含まれていることがわかる。

スポンサーリンク

3. ししゃも一匹の栄養とカロリー

次に、ししゃも1匹(20gとする)の栄養とカロリーを見ていこう。(※2)

  • エネルギー:30kcal
  • 水分:13.5g
  • たんぱく質:4.2g
  • 脂質:1.6g
  • 炭水化物:0g
  • ナトリウム:98mg
  • カリウム:76mg
  • カルシウム:66mg
  • マグネシウム:10mg
  • リン:86mg
  • 鉄:0.3mg
  • 亜鉛:0.4mg
  • 銅:0.02mg
  • マンガン:0.02mg
  • ヨウ素:15μg
  • ビタミンE(トコフェロールα):0.2mg
  • ビタミンB2:0.05mg
  • 葉酸:7μg
  • DHA:110.0mg
  • EPA:134.0mg
  • 食塩相当量:0.2g

ししゃもはカロリーが低く、栄養が豊富ということがわかるだろう。

4. ししゃも料理の栄養

ししゃもの栄養素を紹介したが、料理にするとカロリーや栄養素はどのように変わってくるのだろうか。実際に見ていこう。

ししゃもフライの栄養

ししゃも1人前(3匹)を油で揚げた場合のカロリーは、171kcalとなる。やはり揚げ物にすると生の状態と比べ、カロリーは高くなってしまう。ビタミンB2は0.19mg、ビタミンE(トコフェロールα)は2.0mg、カルシウムは189mgとなっている。

揚げ物は子どもでも食べやすく、栄養もしっかり摂れるのでおすすめだ。

ししゃものみりん干しの栄養

ししゃものみりん干し100gのカロリーは、166kcalと、生の状態と変わらないことがわかる。たんぱく質21.0g、脂質8.1gと、こちらもかわらない。カロリーを気にする方は、フライよりもみりん干しを食べるとよいだろう。

5. ししゃもとめざしの栄養の違い

ここではししゃもとめざしの栄養の違いを紹介する。(※2)(※11)

【エネルギー】

  • ししゃも(100g)...152kcal
  • めざし(100g)...206kcal

【たんぱく質】

  • ししゃも(100g)...21.0g
  • めざし(100g)...18.2g

【亜鉛】

  • ししゃも(100g)...1.8mg
  • めざし(100g)...1.2mg

ししゃも100gあたりのエネルギー量が152kcalに対してめざしは206kcalと、カロリーが高くなっている。たんぱく質はししゃもが21.0gに対してめざしは18.2gと少ない。また、亜鉛もししゃもが1.8mgでめざしが1.2mgと少なくなっている。このことから、ししゃもはカロリーが低く、栄養価が高い魚であることがわかる。

6. 栄養豊富なししゃもは妊婦にもおすすめ

スポンサーリンク

ししゃもには、カルシウムやDHA、EPAといった妊娠中に嬉しい栄養が豊富に含まれているため、妊娠している方に積極的に食べてほしい食材のひとつである。魚には水銀が含まれているので、食べる量に注意が必要といわれているが、ししゃもに含まれる水銀はごく少量だ。妊娠中でも安心して食べられるだろう。

結論

ししゃもの栄養素とその効能について紹介した。ししゃもは低カロリーで栄養が豊富であることがわかっただろう。妊娠中の方や、ダイエット中の方におすすめの食材だ。ししゃもを食べると身体に嬉しい効果がたくさんあるので、ぜひ日々の食事に取り入れてみてほしい。

(参考文献)

  • ※出典1※出典2※出典11:文部科学省|食品成分データベースhttps://fooddb.mext.go.jp/
  • ※出典3出典4出典6出典10:わかさ生活URL: https://himitsu.wakasa.jp/
  • ※出典5出典7出典8:厚生労働省| 厚生労働省eJIM URL:https://www.ejim.ncgg.go.jp/
  • ※出典9:厚生労働省|たんぱく質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)URL: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
春の七草の種類と覚え方|日本の風習・七草粥に入れる理由とは
春の七草の種類と覚え方|日本の風習・七草粥に入れる理由とは
枝豆で太る可能性がある!理由やダイエット中の食べ方を解説
枝豆で太る可能性がある!理由やダイエット中の食べ方を解説
ブロッコリー入りシチューの作り方|入れるタイミングも解説
ブロッコリー入りシチューの作り方|入れるタイミングも解説
長芋と山芋の違いとは?見た目や味・栄養の差も詳しく解説
長芋と山芋の違いとは?見た目や味・栄養の差も詳しく解説